日本精工、HV・EV向け新軸受け開発、クリープ限界荷重を向上

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 日本精工は、ハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)の駆動部向けにクリープ(静止荷重や回転荷重による変形)を起因とした振動を抑制する軸受けを開発した。駆動モーターの高速回転化に対応するもので、高温耐油性に優れるOリングを独自開発するとともに、高度な解析技術により素材を変えずにOリング溝付き軌道輪(外輪)の剛性を確保。標準品(Oリングなし)に比べ回転荷重時のクリープ限界荷重を約5倍に引き上げ、機械的に固定する既存の対策品に対して低コスト化と組み付け性の向上を実現した。2020年に15億円の売り上げを目指す。

 HVやEVの駆動モーターは、航続距離の延長を目的とした省電費化ニーズを背景に小型・軽量化が進み、それにともない出力を確保するために高速回転化が進んでいる。プラグインハイブリッド車(PHV)などにおけるEVモード走行の比率は上昇傾向にあり、高速回転域でのモーター使用がさらに高まることが確実。
 モーターや変速機などに使われる軸受けでは、静クリープや軸受け内部の摩擦力による外輪(静止輪)の連れ回りにより嵌合面が摩耗して振動や騒音が上昇する。モーターの高速回転化は、クリープや連れ回りをより生じやすくする方向に作用するため、現行の対策品では外輪に溝加工やピン、フランジを設けることで機械的にケースに固定する方法で対応している。
 新開発の軸受けは、Oリングを付けたクリープフリー軸受けの次世代品。高温の油環境における耐油性を確保するため、既存のニトリルゴム系に代えて新たにへたりにくいフッ素ゴム系Oリングを開発するとともに、Oリングの潰し代の最適化により回転荷重に対する耐クリープ性向上と外輪の連れ回しを抑制。また、外輪外径面のFEM解析によりOリング溝を最適設計することで、従来材のまま溝加工を施しつつも静止荷重に対する剛性を確保した。
 製品は既存ラインで生産でき現行の対策品に対して低コスト化を実現したほか、機械的組み付け工程の省略によりユーザーサイドの生産性向上も可能としている。

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このページは、web staffが2016年2月25日 16:47に書いたブログ記事です。

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