2013年6月アーカイブ

 JSPは、産業技術総合研究所と共同で、気孔率90%を超える高気孔率のポーラス金属を開発した。同社が得意とする発泡成形技術などを駆使し開発したもので、軽量で高い強度、吸音性を実現。また発泡樹脂成形体を利用して作製しているため、さまざまな形状への対応が可能という。ステンレス、銅、アルミナの3種類のポーラス金属の試作に成功しており、触媒担体材料やフィルター材料、吸音材料、衝撃吸収材料といった幅広い用途での利用を見込んでいる。今後サンプル供給が行える体制を整えながら、順次、用途開拓を開始し、早期実用化を目指していくとしている。

 住友スリーエムは、施工作業性を大幅に向上させた自動車用の透明遮熱フィルムを発売した。フロントガラスなどに貼ることで赤外線を76%カットする従来品の特性を保ちつつ、糊ズレ性や異物隠蔽性などを改善した。

 東洋プラスチック精工(TPS、本社・東京都中央区、遠山和年社長)は、ナイロン樹脂をマトリックス樹脂に使用した炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)を開発、「TI?AC」シリーズとして本格的な拡販を進める。マトリックス樹脂にポリフェニレンサルファイド(PPS)を使ったグレードの開発も進める。まず電気・電子機器の筐体やハウジング、航空機の2次構造体への採用を目指し、将来的には自動車部品への採用を目指す。

 自動車や情報家電分野を中心に、軽量化によるCO2排出量の抑制やLCA原単位の改善から注目されているマグネシウム合金。世界的にも次世代軽量素材として応用研究が活発化しており、国内でも企業や研究機関が用途分野拡大を目的とした取り組みが進められている。21日に行われた日本マグネシウム協会の技術講演会では、戦略的基盤技術高度化支援事業の一環として岡山県地域で実施された研究プロジェクトの取り組みが発表され、カーボン添加した合金開発やリサイクルシステムの開発成果が紹介された。

 ダイセル・エボニックは、新たにコーティング向けにポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂のディスパージョンを開発した。さらなる用途分野の拡大を目的としたもので平滑性や付着性、分散性に優れ、薄膜コーティングが可能。その特徴から半導体製造工程部材や自動車エンジン用オイルストレーナー、食品機械製造設備などへの応用を見込んでおり、コーティングメーカーなどへ提案していく考え。同社では、素材開発を含む積極的な用途提案によって、PEEK樹脂のさらなる普及拡大を目指す。

 水菱プラスチック(岡山県倉敷市)は、新たに自動車外板用高剛性樹脂を開発した。新開発の炭素繊維強化ポリプロピレン(PP)は、従来のバンパー材や樹脂フェンダー材に対して5倍以上の弾性率を有するとともに、ベース樹脂の組成改良により既存のバンパー材と同等の塗膜密着性を確保しているのが特徴。フェンダーに適用した場合、既存の樹脂フェンダー(2・5ミリメートル厚)と同等の面剛性の板厚設定で、材料コストはそのままに40%の軽量化が可能だ。同社では、板厚1・5ミリメートルを可能とする薄肉成形技術も開発しており、フェンダーやルーフ、フードなど向けに提案する。

 河西工業(神奈川県高座郡)は、ナノコンポジットPPによる自動車部材の事業化に乗り出す。同材料は、ポリプロピレン(PP)中に混入するフィラー粒径をナノサイズに微細化したもの。軽量かつ高剛性を実現しているほか、耐傷付き性を従来のPPコンパウンドに比べて格段に向上させているのが特徴。信一化学工業(韓国)との共同開発により実用化しており、国内ユーザー向けに同材料を採用した自動車内装部品の量産化を開始する計画。低燃費・低コスト化ニーズが高まるなか、技術開発力をベースに他社との差別化を推進していく。

 独BASFと自動車部品の大手サプライヤーであるソミック石川(東京都)は、樹脂製シートダンパー(緩衝器)を共同開発した。ガラス繊維を60%含む高弾性ポリアミド樹脂を使用したもので、すでに国内自動車メーカーに採用されている。リクライニング動作が円滑になるだけでなく、衝撃吸収性によってキャビンスペースの安全性も高まる。

 ブリヂストンが独自のタイヤプリント技術の本格事業化に乗り出す。新たに「COLORSIDE(カラーサイド)」と名付け、専用ロゴによるブランド展開をスタートするもの。第1弾商品として低燃費タイヤブランド「ECOPIA」でラベリング制度の最高グレードを有する「ECOPIA EP001S」と、電気自動車専用タイヤの「ECOPIA EV?01」にカラーリングを施した製品を追加し、来月から全国販売を開始する。乗用車タイヤにファッション性という新たな価値を創造できるか、取り組みが注目される。

 大貫工業所(茨城県日立市)は、独自の摩擦撹拌接合技術(FSPT)の用途開拓を推進する。同技術は、金属板に設けた貫通穴に回転体を圧入し、生じる摩擦熱で内面側から摩擦撹拌により接合するもの。一般の摩擦撹拌接合(FSW)が2枚の金属板の接合を主とするのに対して、3枚以上の金属板を接合できるといった特徴を有しており、異種金属の接合やカシメ加工からの置き換えを狙う。同社では、ブスバーやヒートシンク、モータコアといった用途での採用を見込む。

 東レは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂の事業基盤を強化する。耐トラッキング性に優れる非ハロゲン難燃グレードの開発を推進、機能の複合化を進める。また需要が拡大しているハイブリッド車(HEV)・電気自動車(EV)用途では、ナイロンやポリフェニレンサルファイド(PPS)といった他のエンプラ製品を含めた横断的な展開を加速する。一方供給面では中国・成都およびインドネシアの新拠点を含め、コンパウンド品の安定供給網を確立することで、主要ユーザーのグローバル化に対応する。

 カルソニックカンセイは、独自技術をベースにインストゥルメントパネル(IP)事業の規模拡大を推進する。ウレタン成形ソフトIPで本革IPからの置き換えに取り組む一方、品質とコストを高い次元で両立した射出成形表皮ソフトIPでは付加価値向上と原価低減を進め採用車種の拡大を狙う。また、無塗装ソフトフィールIPは、低コスト・環境負荷低減を売りに中小型車種での採用拡大を図る。とくに汎用設備での生産を実現した射出成形表皮ソフトIPは、すでに中国、タイおよびメキシコにおいて量産を開始しており、グローバル同一品質の提供が可能な差別化製品として普及を図る考えだ。

 アステア(岡山県総社市)は、直接通電加熱によるホットスタンプ技術を開発した。新技術は直接通電方式によりジュール熱を利用して加熱するもので、従来の炉加熱に比べて加熱効率を大幅に向上できるのが特徴。加熱時にのみ通電するため、加熱時間をこれまでの300秒程度から10秒程度に短縮できる。また、部分焼き入れおよび非焼き入れ技術も確立しており、ホットプレス工法の低コスト・省エネ化を推進する。

 住友化学は、液晶ポリマー(LCP)の新規グレード開発を強化する。コネクター用途向けに、薄肉・高強度グレードおよび低反り・高流動グレードを新たに開発、市場投入した。すでに用途開拓を開始しており、スマートフォンやタブレットPCへの採用が始まっているという。電気・電子機器の小型化・薄肉化が進むなか、需要拡大が見込まれる次世代コネクター用途での採用拡大を狙う。またフィルム・繊維分野への応用展開を視野に入れていくほか、可溶性LCPの事業化を模索していくとしている。

 京浜精密工業(神奈川県横浜市)は、独自開発した塑性流動結合技術による自動車部品の軽量化を提案する。同結合法は、鋼材に設けた溝にアルミダイカスト材を流動させて機械的に噛み合わせるもの。既存のボルト締結を置き換えることができ、構造の簡素化などにより部品の軽量・コンパクト化および低コスト化が可能。また、応用展開として穴部品や球部品と軸部品を結合する技術も開発している。同社では、金属系異種材結合方法の新技術として積極的に採用を働きかけていく。

 ニッパツは、主原料に竹粉を採用したハードボードを開発した。開発品は、繊維管を直角に鱗状にスライスした竹粉とポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、パルプなどのバインダー繊維を抄造法(紙すき)により板状としホットプレスで成形するもの。JISハードボード(繊維板)相当の物性を確保しており、金型成形による3次元形状品の製造が可能だ。現在、既存品との差別化を目的に竹が有する機能を探索しており、自動車内装材など向けに事業化を検討していく考え。

 戸畑ターレット工作所(本社・福岡県北九州市)は、独自の高速恒温鍛造技術による自動車用アルミ部品の量産化に乗り出す。同技術は、組織制御により既存のアルミ冷間鍛造品に対して引っ張り強度および伸びで60%以上の特性向上が可能。その特徴から軟鋼製足回り部品の代替として採用されたもので、近く本格供給を開始する計画。同社では、独自の車体軽量化技術として普及拡大に取り組んでいく。

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