2012年7月アーカイブ

 ユニチカは、バイオマス由来高耐熱ポリアミド(PA)「ゼコット」の事業展開を本格化する。宇治事業所(京都府)で建設を進めていた年産500トンの中量産設備がこのほど完成、稼働を開始する。これまでラボスケールで実施してきた顧客評価が数トンレベルで可能となり、電気・電子部品や自動車用部品、耐久・高強度部材など各用途へ採用の働きかけを強化する。中量産設備の稼働を機に市場での採用拡大を図り、2015年以降には同5000トンレベルまで事業を拡大する方針。

 ポリプラスチックスは、顧客のプラスチック部品の開発支援を目的に、ソリューション技術の開発および提案活動を強化する。同社が保有する膨大な樹脂データや独自の測定・解析手法を駆使し、新たな成形技術を開発、自動車用途などを対象に早期実用化を図る。またプラスチック成形品開発をアウトソーシングでサポートするソリューションビジネスの育成にも力を注いでおり、同社エンプラ材料の拡販につなげる考えだ。

 高い教育水準や恵まれた研究開発環境を土壌に、独自技術や技術開発力をベースに高成長を続ける企業もオーストリアの自動車産業の特徴だ。TTTech オートモーティブは、ウィーン工科大学で開発されたタイムトリガード技術をベースに電子装置ネットワークの信頼性向上を実現するためのソリューションビジネスを展開。独自のアルゴリズムに基づき半導体から部品・装置、ソフトウエアまでを開発・製造しており、ボーイング787の電源管理システムに採用された実績を有するほか、主力の自動車分野ではアウディやボルボにシステムを提供している。

 オーストリアの自動車産業は、北部国境を自動車大国・ドイツと、南側をイタリアと接するほか、EU域内の組み立て拠点として成長するチェコやハンガリーなどとの国境を持つことから、研究開発および部品製造を軸に発展してきた。現在、その核となるクラスターはウィーン、シュタイアー、アッパーオーストリアの3カ所あり、国内全体で700社・17万5000人が自動車産業に従事する。

 音楽を中心に文化大国の歴史を有するオーストリア。多くの観光客が訪れる同国においてエレクトロニクスやライフサイエンス、環境技術などとともに、自動車産業の育成が国家戦略として進められている。産学連携と産業クラスターを軸に競争力向上に取り組む一方、税制優遇制度など事業環境の整備をベースに企業誘致を活発化することで、国際的な研究開発(R&D)拠点として産業基盤の拡充を推進する。

 スズキは、ポリプロピレン(PP)の大幅な耐傷つき性向上を実現した。スチレン量の異なる2種類の水添スチレン系エラストマーの配合により、既存PPの4倍、独自開発した「スズキ スーパー ポリプロピレン(SSPP)」に対して2倍の耐傷つき性を達成した。透明度が高く、着色化も可能。今回の特性向上によりシボ形状の自由度を高めたことから、内装部品などで適用部位の拡大が見込める。アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂製塗装部品の置き換えを視野に入れて研究開発を推進する。

 三協マテリアルは、等方性を有するマグネシウム合金の生産を開始した。マグネシウムは結晶構造に異方性があるため、一般的に加圧方向によって機械的特性が異なるという性質を持っている。新たに提供を開始した新合金は、自社製鋳造ビレットを鍛造加工することで縦・横方向の機械的特性をほぼ同等に揃えたもの。200メガパスカル程度の引っ張り強度を実現しており、ダイカスト部品の試作用切削材や特殊用途向け素材としての需要を見込む。同社では、材料開発を通じて国内マグネ市場の拡大に取り組んでいく方針。

 三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)は、自動車向けポリカーボネート(PC)樹脂グレージング事業を拡充する。自動車用PCグレージングは欧州で採用が先行しているが、軽量化の要望が高まるなか、日本でも2015?16年に本格普及期を迎えると予想されている。同社は親会社の三菱化学や自動車用ハードコート材で多くの実績を持つ三菱レイヨンと協力体制を構築しながら、新規PCおよびハードコート材の開発を推進、普及促進につなげる方針だ。

 特殊鋼加工を手掛ける守谷刃物研究所(島根県安来市)は、超熱伝導材料・STCの用途開拓を推進する。電動制御化の進展を背景に放熱ニーズが高まる自動車分野を軸に実用化を推進するもの。STCは銅系およびアルミ系の2種類があり、いずれも添加する黒鉛粒子の配向制御により優れた熱伝導率を達成しており、銅系材料の銅単体に比べて1・5倍の熱伝導率(平面方向)を実現している。同社は各種ヒートシンクや電熱板に有望とみており、外部企業の共同開発も視野に取り組んでいく方針。

 スズキは、独自開発した自動車用ポリプロピレン(PP)樹脂材料の本格展開に乗り出した。新材料「スズキ スーパー ポリプロピレン(SSPP)」は、タルクなどの無機充填材を使用せずに従来材と同等の機械物性を実現したもので、軽量化および透明性付与による無塗装化を実現しているのが特徴。独自の無塗装化技術との組み合わせにより、従来比約10%軽い高輝度シルバーメタリック色のスキッドプレートとして、7月11日発売の「エスクード」に採用した。同社では、SSPPの適用を内装部品やバンパーなどの外装部品へ拡大していく。

 三菱レイヨンは、炭素繊維・複合材事業で自動車を含む一般産業用をさらに強化する。高性能ラージトウでこれまで優先して生産していた風力発電翼向けの60K(1K=炭素繊維1000本)だけでなく、より汎用的に使える50Kを拡販するためサンプリングを開始した。急速に技術開発が進みつつある自動車構造材での採用拡大を目指す。一方で加工技術も強化しており、独自成形技術であるPCMや、三菱ケミカルホールディングス(MCHC)内での研究開発も加速する。

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