2011年12月アーカイブ

 日本ファインセラミックス(仙台市)は、窒化ケイ素(Si3N4)の高性能化を推進する。弱点であった熱伝導率を改善して放熱性を高め、パワー半導体や発光ダイオード(LED)用基板といった成長が見込める用途に展開する。熱伝導率が100ワット/メートル・ケルビンと従来に比べて5倍近く高めた新製品を開発、このほど販売を開始した。破壊靱性も大幅に向上したほか、薄肉化も可能なことから窒化アルミニウム(AlN)など既存の基板材料からの代替を目指す。

 日産自動車は、抵抗スポット溶接によるマグネシウム合金と鋼材の異種材接合技術を開発した。新技術は亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)の共晶反応によりマグネ合金表面の酸化被膜を除去するとともに、マグネ合金に含まれるアルミニウム(Al)を介して金属間化合物層を生成することで冶金的に接合するもの。溶融亜鉛メッキ鋼板とAZ31合金を用いた評価試験で、新技術による接合継手が車体適用時に要求される疲労特性を有することを確認している。低コストかつ実車への適用を可能としており、マグネ部材の採用拡大が期待される。

 ナノテックヴァルト(本社・宮城県)は、高耐久性を有するDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング膜を開発した。成膜条件や膜の傾斜層の工夫により、初期摩擦係数がμ=0・15と低く、従来のDLCに比べて100分の1の摩耗量を実現したもの。マグネット圧粉成形パンチによる性能評価では30倍の寿命向上を確認している。面圧の高い成形金型や高面圧ギアなどの信頼性向上や長寿命化といった用途での採用を見込む。
 DLC膜は、高真空中のアーク放電プラズマで炭化水素ガスを分解、イオンや励起分子の状態で製品にぶつけることで形成する。通常環境では不可能な結晶構造を形成でき、多様な特性を付加できることから幅広い産業分野で利用されている。

 戸畑ターレット工作所(本社・福岡県北九州市)は、高速恒温鍛造技術による自動車用アルミ部品の事業展開を本格化する。同技術は、素材および金型の温度を制御して鍛造する加工法。高強度化とともに低コストかつ高生産性を実現しており、これまでアルミ化が困難だった鉄系鍛造部品の置き換えが可能だ。サスペンションやステアリング部品などにも適用できることから、新たな軽量化技術として普及促進を図る。同社では、積極的な取り組みにより自動車部品のさらなる軽量化に貢献していく。

 表面処理メーカーの石川金属工業(北九州市)は、竹繊維と樹脂による複合材成形加工技術の開発を推進する。開発技術は、樹脂に竹繊維微粉末を配合したペレットを材料に、射出成形での部品製造を実現しようというもの。自動車部品での実用化を目指しており、樹脂部品の環境性能向上をはじめガラス繊維強化樹脂や金属の代替を想定している。現在、複合材ペレットの開発などを進めており、同社では独自技術として早期実用化を目指す。

 三菱自動車は12日、バイオポリエチレン(PE)を用いたフロアマットを永大化工、MRCパイレン、豊田通商と共同で開発したと発表した。2012年夏の商品化を予定している。ポリプロピレン(PP)繊維を用いた従来品と比較し、CO2排出量を15%削減するほか、PPとの芯鞘構造により耐摩耗性や耐熱性を高めた。

 住友ゴム工業は、タイヤ開発における素材レベルの取り組みを加速する。新たに確立した独自のシミュレーション技術をベースに、分子構造まで踏み込んだ新材料開発を本格化するもの。来年2月発売の「エナセーブ プレミアム」では、住友化学と共同で新変性S?SBRを開発することで、国内ラベリング制度の転がり抵抗性能で最高ランクの「AAA」を実現した。同社では、さらなるタイヤ性能の向上には材料開発が不可欠とみており、独自技術を軸に素材メーカーとの連携を強化していく。

 アーレスティは、アルミダイカスト部品の高強度化を推進する。独自技術の開発によって自動車部品用途での採用拡大を図るもの。開発中のL法では汎用マシンを使った大型高強度部品の製造を目指しており、従来法と比較して引っ張り強度および硬度で50%以上の特性向上を実現している。海外への技術展開が容易なことから、製造条件などの詰めを急ぎ差別化技術として早期実用化を目指す。同社では、独自技術をベースとして同事業の成長性を確保していく。

 日本ピストンリングは事業領域の拡大を推進する。パワー半導体向けアルミボンディングワイヤーをはじめ、高機能多孔質金属や希少金属を含まない高強度片状黒鉛鋳鉄を開発。また、次世代モーター向けに注目される圧粉コアでは積層鋼板コアを上回る高効率化を実現した。いずれもコア技術をベースに開発・事業化に取り組んでいるもので、自動車分野などでの採用を見込む。同社では、保有技術の応用展開により事業基盤のさらなる拡充を目指す。

 アイシン化工は、自動車の軽量化に貢献する低比重アンダーコートの提案を強化する。熱膨張して気泡を形成する特殊なマイクロカプセルを処方したコーティング塗料で、従来品に対し50%の軽量化を達成した。今年度から各自動車メーカーに売り込んでおり、2012年度には複数車種での採用を見込んでいる。防音機能の向上など、新たな機能を付加した新製品の開発にも取り組んでいく。

 トヨタ紡織は、自動車内装用のケナフボードで、日系自動車メーカー向けにラゲッジ部を中心とした採用拡大に取り組むほか、天然材料の採用に熱心な欧州自動車メーカーへの提案も検討していく。従来のケナフボードに比べ4割以上の軽量化と、成形サイクルの大幅短縮を実現する新技術を開発。射出成形部品と同様のコストで内装部品を生産できることから、環境負荷を低減するケナフボードの内装材としての普及を加速していく。

 鋳造品メーカーのTPR工業(山形県)は、独自の異種材複合技術を応用したアルミドラムブレーキを提案する。開発品はアルミ合金製ブレーキ本体に特殊鋳肌形状の鋳鉄部品をドラム内面に接合したもの。接合面はランダムかつ均一な突起分布により熱膨張による径変化が小さく高い熱伝導性を実現しており、ブレーキとしての耐久性を確保しつつ従来品に比べ大幅な軽量化が可能だ。同社では、自動車部品の軽量化手段として同技術の応用展開を推進していく。

 横浜ゴムは、高圧力・大流量に対応する高性能油圧配管用カップリングを開発した。新製品はステンレスとアルミ合金を適所に採用することで高強度かつ軽量・コンパクト化を実現するとともに、新設計により一般的な同一外径カップリングと比較して約30%の圧力損失の低減化を達成。すでにトヨタ自動車の「レクサス LFA」の6速ASG変速制御システムに採用されている。同社では、今回の開発で培った流体解析や軽量化などの技術を応用し、カップリング・ホース配管製品のさらなる高性能化を追求する。

 ブリヂストンは、新コンセプトによる非空気入りタイヤを開発した。開発品は、タイヤ側面に張り巡らせた特殊形状スポークにより荷重を支持する独自構造を採用したのが特徴。これにより空気を充填する必要がなく、省メンテナンス性に優れるとともにタイヤがパンクする心配を無くした。また、スポーク部の素材に熱可塑性樹脂を使用することで、タイヤトレッド部のゴムを含め100%再生利用が可能な材料としている。同社では、独自技術の研究開発を通じて資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大に取り組んでいく。

 タカギセイコー(富山県高岡市)は、高い接合強度と高気密性を併せ持つ金属と樹脂のインサート接合技術を開発した。独自の表面処理技術により、少ない工数で高い接着力を持たせることができる。とくに1・3メガパスカル以上の気密性、水密性を生かした用途として、2015?16年には電池関連での大型採用を狙っている。現在は試作機により生産しているが、本格採用につながり次第、インサート成形の量産設備を導入したい考え。

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