2011年11月アーカイブ

 広島大学大学院の二川浩樹教授とTBカワシマは、樹脂や合成繊維に対する消毒成分の固定化技術を開発した。新技術はプライマーを処理することで抗菌・抗ウイルス加工が可能な消毒剤(商品名・Etak)を基材表面に定着させるもの。自動車や航空機の内装材や壁紙、絨毯といったインテリア、各種フィルム製品に消毒効果を付与することが可能となった。両社では2年後を目標に応用製品を商品化する。

 日本ファインセラミックス(仙台市)は、セラミックス金属複合材料(AMC)を開発した。アルミニウム合金とほぼ同等の軽量性、ステンレスを上回る高剛性を兼備しており、ニアネットシェイプ加工が可能といった特徴を兼備する。同社は電子部品などの製造装置や精密機械の構造部材に適用できるとみて、市場開拓を本格的に推進する。自社工場の加工能力を生かして部品供給を手掛けたい考えで、新規事業の1つとして早期の実用化を目指す。

 ハンツマンは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)向けに開発したナノコンポジット・エポキシシステムを日本市場に売り込む。ナノフィラーの配合により、通常のCFRPに比べて破壊靭性を大きく高めたもので、同システムを採用したCFRP成形品は衝撃を受けても壊れにくく、使用時の安全性の向上に寄与する。2009年に開発して以降、欧州でホッケースティックや自転車のフレーム向けなどに採用されてきた。こうした実績をもとに日本でもスポーツ・レジャー用途への売り込みを図るとともに、産業用途にも広く提案していく考え。

 日本ゼオンは、水素化ニトリルゴム(HNBR)の普及拡大を推進する。独自素材の新ゼットポールにおいて、新規導入した架橋点との反応を利用した用途展開を新たに提案するもの。異種ゴムとの接着による積層部材への展開や表面摩擦抵抗の低減による動的シール部材への適用が可能であり、こうした機能をPRすることで新規用途や適用分野の拡大につなげる考えだ。同社では、素材としての可能性を追求することで同製品の用途分野を開拓していく。

 ポリプロピレン(PP)基材向け接着性樹脂が相次いで開発、製品化されている。PPは自動車をはじめ幅広い分野で採用が広がっているが、接着性が悪く、塗装には下地材が必要。三菱化学、住友化学はそれぞれ、塩素を用いないオレフィン系接着性樹脂を開発し、マーケティング活動を本格化させている。両社製品ともPPと優れた接着性を発揮し、脱溶剤化、低温加熱など環境特性も優れているのが特徴だ。

 産業装置メーカーのアイテック(大阪府堺市)は、超臨界水粒子合成法によるナノ粒子を事業化する。新たに立方体型をした10ナノメートル前後の均一な酸化セリウム粒子の生産技術を確立し、サンプルワークを開始したもの。同製造法は特定の結晶面に有機修飾することが可能であり、用途に応じたハイブリッド粒子も提供できる。同社では、自動車用触媒や高酸素吸蔵能用材料といった用途での採用を見込んでいる。

 キョーラクは、ブロー成形による樹脂部材の品揃えを拡充する。新たに旭化成ケミカルズが開発した発泡ビーズ「サンフォース」をコア材に採用した複合部材の展開に乗り出すもの。同発泡ビーズは優れた難燃性や高い寸法安定性などを実現しており、独自のツイン・ブロー・モールディング(TBM)法との組み合わせにより軽量・高難燃部材として市場開拓を進める計画。同社では、自動車や鉄道といった輸送機器をはじめ幅広い分野を対象に提案活動を展開していく。

 工業炉メーカーのサーマル(東京都板橋区)は、アルミ繊維焼結不織布の用途展開を推進する。バインダー類を使用せずにアルミ繊維を焼結した同不織布は、空隙率が約35%で比重が約1・6。優れた吸音特性を活用して高性能吸音材(商品名・メタシリー)として展開しているが、新たに多孔質のアルミ素材として新規用途の開拓に取り組むもの。その特性と優れた加工性をベースに、ヒートシンク・放熱冷涼装置といった用途への適用を検討していく考え。同社では、積極的な取り組みにより同事業の拡大を推進する。

 カネカは8日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で炭素繊維強化複合材料(CFRP)向けの熱硬化型イミド樹脂を開発したと発表した。航空・宇宙分野で耐熱性能が必要な金属部品の代替を狙う。CFRPを製造する際、従来はボイド(空洞)ができるなど機械強度に課題があったが、新規イミド樹脂は溶剤に対する溶解性を改善、高耐熱性と高靱性を発揮する。

 JFEテクノリサーチは、新たに耐候性評価センターを開設した。開発現場における耐久性向上に関する取り組みに向け、各種材料・製品の評価受託サービスに乗り出したもの。開設にあたり試験機としてスーパーキセノン、メタルハライド、サンシャインカーボンアークの3機種を取り揃えるなど、充実したサービスが提供可能な体制を整備している。同社では、高度な評価・解析技術をベースにユーザーの研究開発を支援していく。

 降温多軸鍛造(MDF)法によるマグネシウム合金の実用化が活発化している。工業炉メーカーのサーマル(東京都板橋区)がアルミ合金と同等の機械的特性を有するブロック材の普及拡大に取り組む一方、同製法を開発した電気通信大学の三浦博己研究室では機械加工メーカーの川本重工と共同で来春から改良型MDFによる降伏応力530メガパスカル合金の量産化に乗り出す。MDF法はレアアース(希土類)を添加せずに高強度化できるのが特徴。こうした取り組みがマグネシウムの用途拡大につながるか、今後の動向が注目される。

 住友スリーエム(住友3M)は、乗用車用の外装デザインを一新できる高意匠装飾フィルム「3M スコッチプリント ラップフィルム シリーズ1080」の販売を1日から開始した。継ぎ目がなく一枚張りが可能で、カーボン調やメタリック調など7種類のバリエーションを揃えた。

 積水化成品工業は、提案型物流ソリューション事業拡大の一環として、ソリッド樹脂(非発泡樹脂)による自動車部品梱包資材(KD梱包)についても提案を強化する。高機能ハイブリッド発泡樹脂「ピオセラン」やビーズ法発泡ポリスチレン(EPS)といった発泡樹脂による梱包材に加え、ソリッド樹脂製品もラインアップすることで、物流資材に対する需要家ニーズに総合的に応えていく。

 クレハグループの切削材料メーカーである日本エクストロン(本社・東京都大田区)は、各種プラスチック素材を用いた樹脂メーカーやコンパウンダー、エンドユーザー向け試作事業の拡大に拍車をかける。汎用樹脂からスーパーエンプラまであらゆる樹脂を、厚物の板材や丸棒、厚肉管材(ホローバー)などの切削材料として固化押出できることを強みとして、付加価値の取れる事業へと軸足を移していく。試作関連の売上高比率は現在20%弱だが、2015年までに30%へ引き上げる方針。

 テクノポリマーは、新たに開発したスチレン系特殊熱可塑性樹脂「HUSHLLOY(ハッシュロイ)」の本格販売を開始する。新製品は、嵌合部など樹脂部品の接触部分から発生する軋み音を低減できるのが特徴。グリス塗布や不織布貼付といった対策が不要となるため、製品の低コスト化や老朽化による品質低下を防止できる。すでに自動車部品や電子部品で採用が始まっており、同社では日用品などを含む広範分野向けに拡販を図る。

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