2011年5月アーカイブ

 BMWは量産車における炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の採用を加速する。その役割を担うのが2013年後半に発売予定の電気自動車(EV)メガシティビークル。同車では専用設計によるフルカーボン製のモノコックを採用する予定であり、CFRPの採用により軽量・高剛性かつ優れた衝撃吸収性を実現した車体開発を推進する。材料置換によるコストアップも「鋼材に比べて120?130キログラム軽くでき、バッテリーを20%小さくできる」(山根健技術顧問)ため、バッテリーコストの低減で吸収可能とみる。

 信越化学工業グループの日信化学工業(本社・福井県越前市)は、塩化ビニル系エマルジョンで国内外の自動車部品メーカーに攻勢をかける。エマルジョン自体が難燃性を持つため、高騰が続く難燃剤の使用量を大幅低減し、コストアップを抑えられる繊維加工剤として、カーシートをはじめとした自動車内装材向けに提案を強める方針。塩ビレザー向け接着剤や建材向けコーティング材料などの既存用途での拡販も並行的に推し進め、3年後に販売量を倍増の1万トンに引き上げる計画だ。

 東海ゴム工業は、独自開発した放熱発泡ウレタンの用途開拓を推進する。同製品は発泡ウレタン中に熱伝導フィラーを配合したもので、シリコン放熱シートに対して40%の軽量化と50%の低コスト化を実現しているほか、吸音性にも優れているのが特徴。モーターカバーとしての性能評価では、モーター単体に比べて20度C以上の放熱特性を確認している。同社では、これら特性を生かして自動車関連用途などでの実用化を目指す。

 大成プラスは、独自の金属樹脂接合技術・NMTの応用展開を推進する。NMTの気密性を活用して、周囲に樹脂を射出成形することで2枚のアルミ板を接合した水冷式冷却パネルユニットを開発したもの。このコンセプトモデルは平面で効率的に冷却できるほか、複層化により熱源の両面冷却を可能としているのが特徴。また、使用条件に応じて樹脂を選定することで耐熱性や耐腐食性なども調整できる。同社では、車載用2次電池の冷却器などでの採用を想定している。

 カルソニックカンセイは、無塗装化により生産コスト低減を実現するインストゥルメントパネル(インスト)で、次世代品の開発に取り組む。日産自動車の新型マーチ向けに採用されている現行品に改良を加え、コスト競争が激しい中小型セグメントのグローバル車向けに開発を強化する。開発のカギを握る部品表面のツヤ低減については、シボ(部品表面の凹凸)パターンの改良のほか、材料や成形条件に遡った開発も進めていく考え。

 三菱化学は、自動車ボディーに直接塗布する有機太陽電池(OPV)について、2015年以降の採用を目指し、電気自動車(EV)向けに提案していく。補助電源としてEVの走行距離延長に寄与するほか、万一、バッテリー切れでEVが立ち往生しても、OPVで充電し近くの充電ステーションに自力走行できる。同社はOPVのさらなる変換効率向上などを図りながら、需要家の塗装ラインに入り込むビジネスモデルも視野に、提案活動を強化していく。

 積水化学工業は、十分な可視光を維持しながら、長波長紫外線(UV-A)を99%以上カットできる車両向け合わせガラス用中間膜の新製品を開発した。400ナノメートルまでのUV-Aをほぼ完全に遮断できることから、日焼けによる肌の光老化防止などが期待できる。旭硝子からの開発要請を受けて同社と共同開発したもので、まずは旭硝子向けに供給していく。遮音・遮熱などの同社がラインアップする高機能中間膜の機能と組み合わせることも可能であり、高機能プラスチックスカンパニーの主力事業である中間膜事業の一層の拡大につなげていく。

 「先端材料・技術の活用により鉄鋼材料でオールアルミ製と同等の軽量ホワイトボディーが実現可能」という研究成果が発表された。世界鉄鋼協会が次世代鋼製環境対応車(FSV)プログラムとして車体の詳細設計を完了したもの。電気自動車(EV)用の開発車体はベースの欧州製ガソリン車に対して35%減の187・7キログラムを達成した。生産コストも工場建設の償却費を含め、年産22万5000台で1000ドル以下という試算結果を得た。車体製造時を含むCO2排出量は約7割の削減が可能であり、本格EV時代に向け参加各社では研究成果の普及拡大を推進する。

ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)など次世代環境車の普及には、インバーターの小型・低コスト化・高性能化が必要であり、その主要技術として冷却器の高性能化がある。デンソーは高度な生産技術をベースに冷却器のさらなる高性能化に取り組んでいく。

 ダイセル・エボニックはこのほど、同社のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂「ベスタキープ」製のスピンドルナットが、BMWグループの電動調整式ステアリングコラムアセンブリーに採用されたと発表した。
 一般的なPEEK樹脂はこれまで、BMW社の要求する厳しい条件を満たすことができなかった。今回、ベスタキープは高耐熱性、耐薬品性、高靭性、可塑性などの特性や耐衝撃性を向上させたことにより、条件をクリア。また、さまざまな温度下での高い寸法安定性も満たす。
 スピンドルナットは、エボニック インダストリーズが製造。衝突事故など激しい衝撃の条件下でも破損せず、破片によってエアバッグなどの安全関連装備が機能しなくなることを回避できる。同社は今後、同スピンドルナットの電動調整式だけでなく、手動調整式での採用も見込む。

このアーカイブについて

このページには、2011年5月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2011年4月です。

次のアーカイブは2011年6月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。