2011年2月アーカイブ

 金属加工機械メーカーの寿産業(小樽市)は、特殊ニッケル合金を応用した抗菌繊維を開発した。神戸製鋼所の抗菌性特殊ニッケル合金メッキを特殊技術により粉砕することで4マイクロメートル以下の微粉化に成功。これを練り込んだマスターバッジからポリエステル原糸を製造するもの。また、4マイクロメートル以下の抗菌剤を付与する接着技術も開発しており、両技術によるフィルターは抗菌試験や通気性試験などで優れた性能を確認している。同社では、カーシートやカーエアコンフィルターとして実用化に取り組んでいく。

東京応化工業はリチウムイオン2次電池(LiB)性能を改善する負極材を首都大学東京(金村研究室)と共同開発した。スズーニッケル合金と、新たな構造の適用よって電気を貯められる容量を従来のカーボン系にくらべて約2倍の600ミリアンペア時(mAh/g)に高めた。また急速充電が可能な3次元LiBも開発している。
  写真は東京応化が試作した合金負極LiB。
東京応化 Lib負極材.bmp

 クレハは、製造コストの大幅低減に向け、車載用リチウムイオン電池(LiB)負極材の中間原料となる前駆体(ビーズ)の専用プラントを新設する。車載用前駆体製造を担当する100%出資会社のCNPJ(本社・東京都)を通じ、いわき事業所(福島県いわき市)内に負極材換算で年産1000トン規模の設備を導入する。投資額は25億円で、2012年の完成予定。

ポリケトン多孔膜.bmp 旭化成せんいは、ポリケトン樹脂を使用した多孔膜を開発した。ナノサイズで制御された微多孔構造とポリケトン独自の特性により、機能性フィルターやセパレーター材料、細胞培養基材、再生医療母材などの用途展開を図る。同社は数年前からセルロース系の微粒子や多孔膜を新事業として展開しているが、セルロース系よりも耐薬品特性に優れ、細胞に対する毒性も低いポリケトン製品を投入することで、展開の幅を広げ、事業化への道筋を強めていく。すでにサンプルワークを開始しており、一部用途で検討が進み始めている。

 リーマン・ショックをくぐり抜け、再び力強い成長を始めたタイの自動車産業。数年後には年産250万台規模へ市場が拡大し、世界トップ10に食い込むと見込まれる。素材メーカーから部品メーカーにいたる日系の自動車関連企業も、増産対応に追われるなど活況を呈している。ただ、この成長がいつまで続くのかどの企業も見通せていない。自動車の小型化、低価格化ニーズが一段と高まり、コスト競争が激化していることも各企業の不安材料となっている。グローバルな市場争いが熾烈さを増すなかで、タイが「最適拠点」であり続けるかどうかは、日系自動車メーカーの新たな拠点戦略にゆだねられている。

 アキレスは、独自の無電解メッキ「STEP」工法によるアラミド繊維へのメッキ技術を開発した。従来法(STEP-A法)と異なる新たなポリピロール(PPy)による前処理法によって実現した。メッキした繊維は金属に比べて比重が小さく軽量化が可能なほか、柔軟性に優れるため金属導体のような疲労断裂が減少できる。同社は銅線の代替材料として、自動車用ワイヤハーネスや電磁波シールドなどでの採用を見込む。

宇部興産先端エナジーマテリアル開発センター .bmp 宇部興産は2012年度めどにリチウムイオン2次電池(LiB)部材の売り上げ倍増を目指す。このためにグループのもつ様々の製品や技術をLiB向けにカスタマイズし、差別化を図っていく。主力製品である電解液とセパレーターのほか、バインダーの開発も進める。欧州拠点を通して米市場を開拓するなど、事業拡大戦略をグローバルに進める。

 豊田合成は、タイで自動車用セーフティーシステム部品や外装部品を生産する豊田合成タイランド(チョンブリ県アマタ・ナコン工業団地、高田茂社長)において、第3工場を建設してエアバッグやフロントグリル、バックパネルなどを増産する検討に入った。年内の量産開始を目指す。2012年モデルの新車への新規採用や、既存車種の増産によって増加する需要に対応する。補給部品の供給への対応や、工程の自動化をはじめとする合理化・効率化投資も推進し、さらなる供給力の強化を図る。

 ダイカストメーカーのアーレスティは、自動車のマルチマテリアル化に対応した新ダイカスト技術を開発した。この技術はアルミダイカストに鋼板を接合子として一体化するもので、骨格部材に使用される鋼材とスポット溶接で接合できるのが特徴。ダイカスト部品と接合子は、独自の複合化技術によりスポット溶接部分を上回る接合強度で一体化しており、骨格部材や足回り部品へのアルミダイカストの適用が可能となる。同社では、新たなアルミ化手段として新技術の採用を目指す。

 金属処理ベンチャーのアルミ応研合同会社(本社・京都市)は、アルミ合金の新陽極酸化技術の用途展開を推進する。同技術は、従来のアルマイト技術に対して厚膜の酸化皮膜を形成できるのが特徴。また、皮膜生成速度も約4倍と速く低コスト化が可能なほか、耐食性をはじめ熱放射率や硬度、電気絶縁性など特性向上が図れる。同社では、あらゆるアルミ合金に対して適用できることから、製品の高機能化を狙いに普及促進を図る。

 材料系開発会社・イノアック技術研究所(神奈川県秦野市)は、独自の配合技術を活用して自動車用ゴム製品の高機能化を推進する。カーボンナノチューブ(CNT)配合による高温耐熱性などの向上により、ラジエーターホースなどの薄肉・軽量化を提案するもの。また、補強材に天然無機質資源・クレイを採用したゴムコンパウンドでは、転がり抵抗およびウエットグリップ性能の向上と低比重化を実現。自動車用低燃費タイヤやスポーツサイクル用での実用化を見込む。同社では、独自技術をベースに自動車の環境性能向上をサポートしていく。

 スターライト工業は、自動車関連分野の取り組みを強化する。技術提携関係にある独ロシェリング社が実用化した低燃費化技術の国内展開に乗り出すもの。欧州のほか、北米や中国でも採用が進んでいるエアフラップシステムや車体下面のアンダーカバーパーツ向け軽量吸音材をはじめ、高性能エアインテークシステムなどを、販売チャンネルを通じて国内メーカーに提案していく。同社では、将来的な自社生産も視野に市場開拓に取り組んでいく方針。

 樹脂加工メーカーの山下電気(本社・東京都品川区)は、自動車分野における独自のウエルドレス成形技術「Y?HeaT」の普及促進を図る。同技術は、射出成形サイクル全域で金型温度のリアルタイム制御が可能。適用によりウエルドラインの解消や樹脂の結晶化促進など素材本来の特性を発揮させることで、樹脂部品の薄肉軽量化を進めようというもの。すでにノートパソコン用筐体やカメラ鏡筒部品などで量産実績を有しており、同社では軽量化ニーズが高まる自動車分野での採用拡大を目指す。

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