2010年12月アーカイブ

 トヨタ自動車が新たに豊田通商と開発したバイオポリエチレンテレフタレート(PET)は、原料置換により植物化された汎用モノマーを使用している。PETの原料であるテレフタル酸とモノエチレングリコールのうち、重量構成比で30%を占めるモノエチレングリコールをサトウキビ由来のバイオ原料に代えて製造したもので、「分子構造が既存のPET樹脂とまったく同じ」(三宅裕一車両材料技術部有機材料室主幹)なのが特徴だ。ポリ乳酸(PLA)のような新材料に対して、このような汎用モノマーの植物化は既存部品へ適用しやすく、「プロセス開発により汎用モノマーの植物化が進めば、(バイオプラスチックスに)置き換えやすい」(同)とその可能性に期待を寄せる。

 旭硝子は15日、紫外線(UV)を約99%カットするフロントドア用強化ガラス「UVベール Premium」を世界で初めて開発したと発表した。自社で新開発した高性能UVカット膜をガラス表面に形成した。車内の快適性を高めるガラスとして、トヨタ自動車が年末に発売を予定している新型「ヴィッツ」に採用する。

 新日鉄住金ステンレスは、汎用ステンレス「SUS304」を代替する新ステンレス鋼を開発した。新鋼種「NSSC FW2」は、レアメタルであるクロム(Cr)とニッケル(Ni)の含有量をSUS304に対して40%削減した省資源型ステンレス。微量のスズ(Sn)添加によりSUS304と同等以上の耐食性と成形加工性を実現しており、低コストかつ価格安定性に優れる。同社では、すでに販売している「FW1」と合計で2011年度に年間3万トンの販売を見込む。

ハイブリッド技術で業界をリードするトヨタ自動車。植物資源を原料とするバイオプラスチックでも世界最先端の取り組みを行っており、昨年12月にはバイオプラスチックの採用面積が内装部品表面積の60%を占める「SAI」を量産化した。二酸化炭素(CO2)排出削減など社会的な環境要請が厳しくなるなか、すでに研究開発は「従来のコストと機能の2軸から、環境を加えた3軸へ」(三宅裕一車両材料技術部有機材料室主幹)と変わっている。同社のカーボンニュートラルな材料開発の取り組みを追った。

 横浜ゴムは、低燃費タイヤの商品展開を加速する。基幹コンパウンド技術「ナノブレンドゴム」や独自素材「エアテックス」などの採用により、幅広いカテゴリーをカバーするラインアップを整備するもの。来年3月に市場投入する「BluEarth?1」では、2種類の超低燃費ポリマーと高分散性の専用ファインシリカの採用により、タイヤのラベリング制度で最高レベルの転がり抵抗性能AAAを実現した。同社では、来年から低燃費タイヤの海外展開を本格化する計画であり、グローバル規模で低燃費タイヤ「ブルーアース」の普及拡大を目指す。

 住友ゴム工業は、植物由来の超微細繊維「バイオナノファイバー(BNF)」を開発した。この新素材は、パルプなどの植物繊維を数ナノメートルから数十ナノメートルまで細かくした繊維であり、軽量・高剛性・熱変形量が小さいといった特徴を有する。これを生かしてカーボンブラックの代わりにタイヤの補強材に採用することで、タイヤの軽量化や燃費向上が図れる。同社では、BNFを今後「ENASAVEシリーズ」をはじめとする環境タイヤの開発に活用していく。

 本田技研工業は、新たにクロロプレンゴム(CR)をベースとするエンジンマウント材料を開発した。新興国地域における耐久性保証の確保を目的としたもので、合成ゴムをベースとした材料は世界初。新材料はキサントゲン末端変性によりCRの耐久性、加工性および耐熱性を向上するとともに、添加材の配合により実用に耐え得る動的特性を実現しており、耐久試験では既存の天然ゴム材料を上回る特性を確認している。同社ではすでに量産技術の開発を完了しており、低コストの耐久信頼性向上技術として実車への採用を検討していく。

 新日本製鉄は1日、同社の自動車燃料タンク用鋼板「エココート?S」が、米ゼネラルモータース(GM)の航続距離延長型電気自動車「シボレーVOLT(ボルト)」に採用されたと発表した。鉛などの環境負荷物を含まないなど、環境対応車に最適な素材としての性能が評価された。同鋼板の米自動車メーカーの採用は今回が初めて。

 ディーエイチ・マテリアルは、優れた靭性を維持しながら、極めて高い伸び率を発現する変性ビニルエステル(VE)樹脂を開発した。分子内、分子間構造の制御により実現した。シートにした際、従来の軟質系不飽和ポリエステル(UP)樹脂では不可能な極端な曲げにも対応できる。同時に、高耐熱および高耐候性を有する高靭性VE樹脂も開発しており、これまでのUP樹脂やVE樹脂では対応できなかったような新たな用途を開拓し、VE事業の拡大につなげていく。

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