2010年6月アーカイブ

 日立粉末冶金と上板塑性(本社・埼玉県入間郡)は、焼結部品の高密度化を可能とする新製法を開発した。この製法は粉末冶金法で製造した部品を冷間鍛造するもので、密度比を98%以上に高められるのが特徴。粉末焼結で複雑な形状を成形し、強度が必要とされる部分を冷間鍛造によって高密度化することで高強度かつ軽量な部品などの製造が可能。両社では、切削加工部品の代替を主に用途開拓を推進する。

 東レ・ダウコーニングは、特殊潤滑剤「モリコート」を自動車や風力発電向けに拡販する。自動車のピストンに塗布し、ノイズ発生を抑制する用途や、メンテナンスフリーの特性を生かした風力発電のシーリング材用途などが拡大している。とくに自動車向けには、年初にプラスチック部品のきしみ音とコスト削減に寄与する新グレードを投入しており、従来使われていたフェルトテープより作業工程を効率化できることを売りに、用途拡大に努める。

 ジャパンコンポジットは、低密度クラスA-SMCの拡販に拍車をかける。鋼板並みの美しい表面感をもち、鋼板を代替することで大幅な軽量化に貢献するとともに、金属や炭素繊維複合材料では不可能な複雑形状も成形できる成形材料として、このほど採用されたトヨタ自動車の「レクサスLFA」に続く顧客開拓に取り組む。同社は材料技術と成形技術を駆使し、トヨタに採用されたタイプ(比重1・5)を上回る軽量性を実現する製品開発も完成しており、中高級車向けを中心に、各種車両やモーターボート向けも含めて提案を強めていく。

 サンスター技研は、新開発の異種接合用弾性接着剤の用途開拓を推進する。自動車分野で進むマルチマテリアル化を背景に、モジュール部品やウインドー分野での採用を目指すもの。同接着剤は、独自技術により80度C・10分の低温・短時間で7メガパスカル近い高いせん断接着強度を発現するのが特徴であり、樹脂やアルミといった軽量化素材による異種接合の効率化が可能だ。同社では、独自商品の拡充により同分野における規模拡大を推進する。

 大陽ステンレススプリング(本社・東京都練馬区)は、固体高分子形燃料電池(PEFC)用金属セパレーターの受託加工事業に乗り出す。金属素材に関する知見や保有する加工技術を活用して、試験開発用にユーザー仕様に応じたセパレーターを提供する。すでに量産性に優れた分析・観察用の研究評価用薄型セパレートも開発しており、同社では研究開発領域に事業対象を絞り込むことでPEFC分野における事業展開を図っていく。

 ジャパンコンポジットは、短時間成形が可能な炭素繊維強化成形材料(カーボンSMC)を開発した。一般的なポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維(CF)を用いながら、従来のガラス繊維SMC(シートモールディングコンパウンド)では到達不可能な高い比強度、比剛性により、部材の大幅な軽量化を可能とするもの。カーボンSMCをプレス成形した場合の成形サイクルは7分間程度で、CFプリプレグによるレジントランスファーモールディング(RTM)成形の30分の1以下に短縮できる。自動車や産業機械をはじめとする幅広い分野で、金属代替による軽量化やすでに炭素繊維強化樹脂が採用されている分野の置き換えに取り組む。

 サンスター技研は、電気自動車(EV)向けに新軽量ブレーキシステムを提案する。回生ブレーキとの併用を前提に二輪車で採用されているステンレス製ディスクブレーキを適用したもの。ディスク特性から軽自動車程度のコンパクトカーなら対応できるとみており、採用により既存の四輪車用ディスクに対して大幅な軽量化や省スペース化が可能だ。同社では、二輪車向けブレーキディスクで世界トップシェアの実績をベースに実用化に向けた取り組みを推進する。

 童夢カーボンマジック(本社・滋賀県米原市)は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)成形事業の用途拡大を加速する。「CF?CAST」と呼ぶ、オートクレーブ成形を軸にした独自の成形法を活用し、金属では難しい薄肉かつ複雑形状の成形品開発で、顧客の軽量化ニーズに応えていく。タイのグループ会社と連携しながら、車両、電子、医療、産業機械など、各種用途への展開を広げており、顧客数は今期(2010年9月期)に前期比10社増の70社前後へ増加すると予想する。さらには航空機用途への参入に向けた準備も進めており、今年から、航空機メーカーや重工メーカーへの本格提案を開始した。

 樹脂加工メーカーのPLAMO(本社・埼玉県本庄市)は、独自の圧縮成形技術「IMP工法」の採用拡大を推進する。同工法は、製品形状の自由度が高く肉厚・偏肉部品を高精度かつボイドレスで加工できるのが特徴。ほぼすべての熱可塑性樹脂に適用できる。軽量化ニーズの高まりを背景に肉厚高精度成形による金属部品の樹脂化などをターゲットに用途開拓に取り組む考え。すでに自動車や家電、産業機械分野で採用実績があり、同社では積極展開により同工法の普及を狙う。

 ネイチャーワークスは10日、バイオマス樹脂であるポリ乳酸(PLA)の市場拡大を推進するため、耐熱・耐衝撃性コンパウンドの処方と配合プロセスを顧客に開示すると発表した。電子メールでの問い合わせに対し、資料を提供するもので、衝撃改良材、結晶化促進剤、強化材、核材を含めた情報提供により、射出成形向けPLAの新規需要を創出していく。

 ホンダは、C/Cコンポジット製摩擦材の低温焼成技術を開発した。炭素繊維・樹脂・気孔の組成割合を制御することで、焼成温度400度Cで既存のペーパー系摩擦材を上回る特性を実現したもの。同摩擦材を採用したクラッチは、高トルク容量で優れた耐圧性や耐久性を有しているほか、従来の高温焼成カーボンクラッチよりも生産効率に優れるといった特徴をもつ。モータースポーツなど採用が限定されているカーボンクラッチの普及技術として今後の動向が注目される。

 ニッパツは、自動車用ばねの軽量化を推進する。新たに中空コイルばねの量産技術を確立するとともに、材料線径をテーパー加工することで軽量化を図ったFSDコイルばねを開発したもの。いずれも独自形状のばね材料を採用したもので、従来品に比べて中空コイルばねで20?30%、FSDコイルばねで15%程度の軽量化を実現している。中空コイルばねについては、内外表面のさらなる面粗度向上に取り組みつつサンプル提供によるユーザー評価を進める方針。

 三ツ星化成品(愛知県小牧市、栗本拓也社長)は、日産自動車が今年12月に発売する電気自動車(EV)「リーフ」の国内生産向けインストルメントパネルを全量供給する。日産は国内で年間約5万台を生産する計画。9月からの供給開始に向けて現在は性能など製品の最終確認に入っている。同社はコンパクトカーや高級車向けのインパネを得意としており、今後の生産拡大が見込まれているEV向け部材の展開を強化する。

クラレは7日、人工皮革「クラリーノ」の環境対応型無溶剤タイプが、近畿日本鉄道の特急列車のソファシートに採用されたと発表した。「高発色で洗練された色合い」や「ソフトで上質な肌触り」といった素材の特徴が評価を受けた。今後、ユーザーとの取り組みを強化し、自動車向けなどをターゲットとして製品開発、市場開拓を加速する方針。

 帝人ファイバー(大阪市中央区、亀井範雄社長)は、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維「テオネックス」の新規用途として、ポリプロピレン(PP)補強用繊維を開発した。PEN繊維を使用することにより、樹脂補強用として一般的に使用されているガラス繊維より耐衝撃性を大幅に向上し、軽量化も実現した。今後、軽量化や安全性のニーズが高い自動車分野や、電気、電子、建材分野など新規市場への展開を目指し、用途やニーズに合わせた開発を加速する。PP以外の樹脂補強用テオネックス繊維の開発も進める。

 伸銅品メーカーの権田金属工業(本社・神奈川県相模原市、権田源太郎社長)は、国内最大となる幅600ミリのマグネシウム合金板材の量産化技術を確立した。生産設備の改良と温度制御といった製造ノウハウの蓄積により実現したもので、AZ61をはじめAZ31やAZ91などのマグネ合金に適用可能。すでに月産1トンの量産体制を整備し、今春からサンプル供給を開始した。同社では、温間プレスによるマグネ板材の成形加工についても自社技術を確立しており、素材供給から成形技術までをサポートすることで同板材の用途開拓を推進する。

 部品加工メーカーの深井製作所(本社・栃木県足利市)は、独自開発した金属板向けエンボス成形加工技術の応用展開を推進する。新たに機械的接合によるコンポジット化技術を開発し、素材の組み合わせによる高機能化を実現したもの。ポリイミドフィルムとエンボス加工したアルミ板のコンポジット材では、自動車用樹脂燃料タンクの耐火カバーとして既存のアルミメッキ鋼板の代替が可能な耐熱性を確保している。同社では、軽量・高剛性かつ高機能な材料として用途開拓を推進していく。

 ホンダは、マグネシウム合金部品の低コスト化技術を開発した。この技術はエンジンヘッドカバーなどに使用されるAZ90D合金を対象としたもの。溶湯温度などの調整により耐食性に有害な金属間化合物を低減するとともに、溶湯中の含有ガスおよび介在物除去により新塊と同等以上の品質を実現。鋳造工程へのインライン化により従来の再生インゴット使用に比べて材料および溶解コストで約20%、製造時CO2で約36%の低減を可能にした。同社では、低コスト化によりマグネ合金部品の用途拡大を推進する。

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