2009年9月アーカイブ

 鉄鋼業界が次世代環境対応車においても、鋼材が主力構造用材料の地位を維持する取り組みに動き出した。世界鉄鋼協会が推進する次世代鋼製車体プログラム(FSV)において、オールアルミ製車両と同等の軽量車体を目指す開発をスタートした。その背景には駆動システムの転換が自動車づくりの概念を大きく変える可能性を秘めているため、「特性およびコストで主要材料として使われてきた鋼材も決して安泰ではない」(業界関係者)との危機感がある。FSVでは日ごろから競争関係にある鉄鋼各社が最新の技術・アイデアを出し合い、鋼製車体の可能性を追求する。

 マツダは、独自開発したシングルナノ触媒の特性向上を推進する。エンジン直下に据え付けられる直結型触媒コンバーターへの適用を目的に、耐熱特性などの向上を図る。現在の技術は貴金属の担持方法に主眼が置かれており、新たな取り組みではセラミックス担体をはじめ開発対象を広げることで触媒の高性能化を目指す計画としている。新興国における普及拡大を背景に同触媒向け貴金属の需給タイト化が懸念されており、同社は新触媒の早期開発に取り組む考え。

 金属加工メーカーの田中産業(本社・東京都荒川区)は、超高光沢アルマイト加工が可能なアルミダイカストを開発した。高純度アルミニウムを材料として使用することで板材と同等の着色加工を実現したもの。既存の板材を用いたプレス加工に比べて生産性に優れるほか、複雑な形状にも対応できるのが特徴。従来のダイカスト品に比べて耐食性なども向上しており、同社では電子機器の筐体などデザインや装飾性などを求められる用途向けに展開していく。

 大同特殊鋼は、レアメタル使用量を約70%低減したマトリックス冷間ダイス鋼を10月から発売する。新製品「DCLT(ディーシーライト)」は、昨年10月に発売したDCMXで培った技術をベースに開発したもの。モリブデンおよびバナジウムの使用量を大幅に削減するとともに靭性を従来比2倍に、被削性を同3倍に向上させた。これにより素材購入コストの削減や高被削性による加工能率の向上、さらには高靭性による金型の長寿命化が可能となる。同社では、11年度に10億円の売り上げを見込む。

 住友ゴム工業は、ノーマルタイヤと同等以上の乗り心地を実現したランフラットタイヤを開発した。開発したのは「アラミドケース」「熱伝導率アップ配合ゴム」「ディンプルサイド」の3技術で、繰り返したわみによるパンク走行時の発熱を抑制・制御する機能を持つ。新技術を採用したランフラットタイヤは、乗り心地の指標である縦ばね定数でノーマルタイヤを上回る性能を実現した。

 フドーは、ジアリルフタレート(DAP)樹脂系の高熱伝導・超耐熱成形材料を開発した。熱伝導率1・2ワット/メートル・ケルビンを有し、放熱性に優れるとともに、荷重たわみ温度が280度Cで高温での強度低下が小さい。DAP樹脂そのものの特徴として、耐トラッキング性能にも優れる。モーター用ステータコイルや、ハイブリッド車・電気自動車の電装品に向けて販売攻勢をかける。

 日産自動車の追浜工場は栃木工場(栃木県)、九州工場(福岡県)およびグループの日産車体(神奈川県平塚市)と並ぶ車両製造拠点。横須賀市の最北端に位置する追浜工業団地に約170万平方メートルの敷地を有しており、敷地内には燃料電池車や基礎研究を担う総合研究所と2年前にテストコースをリニューアルした試乗会などを行うコミュニケーション施設「グランドライブ」を備える。足もと、減税効果で操業度が回復してきたほか、来年度からは電気自動車(EV)の生産も始める計画であり、環境対応車の主力製造拠点としてさらなる飛躍を目指す。
 

 フドーはバイオマス(植物由来)のフェノール樹脂コンパウンドを開発した。原料のアルデヒド分をすべてでん粉由来のものに切り替え、さらに木粉などセルロース成分を混ぜ込んだもので、植物由来比率は51%と過半を占めながら、性能的には従来のフェノール樹脂とほぼ同等レベルを実現した。「エコ・フドウライト」の商標で今年から販売を開始しており、すでに一部の食器類に採用され、市販されている。今後は環境を切り口に自動車分野へも提案し、主力用途としていく考え。

 伸銅品メーカーの権田金属工業(本社・神奈川県相模原市、権田源太郎社長)は、独自の双ロール鋳造法によるマグネシウム合金薄板の採用拡大に向けた取り組みを加速する。利用技術の高度化に取り組むことで、既存のダイカスト品に対する優位性を強化するもの。計画では、新たに実証試験を含むプレス加工技術の開発に着手し、寸法精度の向上やより複雑な形状を可能とする技術の確立を目指す。同社では、一連の取り組みにより黄銅および銅に続く第3の柱として同事業を育成していく。

 世界鉄鋼協会(ワールド・スチール・アソシエイション 旧IISI)は、次世代自動車に関する共同開発を推進する。自動車分科会(ワールド・オート・スチール、WAS)が今夏から共同開発プロジェクトのフェーズ2をスタートしたもの。今回は2010年末をめどに電気自動車をターゲットに小型および中型車の車体構造を開発する計画で、次世代環境規制の達成はもとより製造工程も含めたトータルライフサイクルアセスメント(LCA)の観点から開発を進める方針。

 デュポンは2日、バイオベースポリマーのソロナ・ポリマーから作られたPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維が、トヨタの新型プリウス純正オプションフロアマットの「ラグジュアリータイプ」に正式採用されたと発表した。
 ソロナ・ポリマーは、デュポンのバイオ技術により、植物の糖を発酵させて作る1、3プロパンジオールとテレフタル酸の共重合により得るPTT樹脂。
 PTT繊維は、従来のフロマットに使用されている石油由来のナイロン樹脂と比較してCO2を50%以上削減でき、地球温暖化対策や枯渇資源の節約に貢献する。
 PTT樹脂(ソロナ・ポリマー)はバイオ系素材であるとともに、繊維にした場合、風合いの良さのほか防汚性、耐薬品性や耐久性に優れるなどの特徴がある。こうした機能も高く評価され、プリウスのフロアマットに採用された。

 東洋紡は、自動車用途を対象に、高機能ナイロン樹脂を拡販する。今春、ガラス繊維強化コンパウンドの新グレードを市場投入したが、このほど、一般産業機械部品に採用されたのを機に、自動車分野での用途開拓を本格化する。同グレードは、鉄や亜鉛合金の約4倍の強度を有しているのが特徴で、同社では、軽量化に貢献する金属代替材料として採用拡大を見込んでいる。このほか、耐熱温度を200度C程度に高めた高耐熱グレードの開発を進めており、最重点分野と位置づける自動車用途での需要増加を狙う。

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