2009年7月アーカイブ

 BASFは29日、自動車向けエンプラ部品の開発支援システム「Ultrasim(ウルトラシム)」を開発したと発表した。独自のCAE(コンピューター設計支援)解析技術を利用したもので、ガラス繊維配向の影響やひずみ速度依存性といった従来のCAEシステムにはない新たな機能を付加することで、エンプラ部品の機械強度や構造挙動を精密に予測できるようにしたのが特徴。同社では、同システムを活用し、衝突負荷に強いエンプラ部品を開発、自動車軽量化に貢献していくことで、金属部品からの切り替え促進につなげる考えだ。

 ゼオン化成(本社・東京都千代田区、小倉由郎社長)は、自動車内装材向け塩化ビニル樹脂(PVC)コンパウンドの用途開拓を加速する。これまで、中国向けの輸出販売が中心だったが、現在、国内カーメーカーにおいて試験評価が進んでおり、国内で主流のウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)の代替用途を開拓、11年以降の採用を目指していく。また、中国生産の検討も開始しており、日本ゼオングループとの連携を強化しながら、現地生産化につなげていく方針だ。

 ニッパツは、メタル配線基板の用途開拓を推進する。パワー半導体の普及拡大に対応して、新たに放熱フィン付きメタル基板を開発した。同製品は、基板製造時にアルミなどのベース材にフィン用の金属素材を接合して毛羽立たせたもので、ユーザーでの工程数の削減と製品の信頼性を向上できるのが特徴。アルミ基板のほか鉄などアルミより熱膨張係数が小さい金属素材へも適用できる。同社では、車載用途や照明用発光ダイオード(LED)などをターゲットに早期実用化を目指す。

 大同特殊鋼は23日、リアクトル用金属磁性粉末が新型プリウスに採用されたと発表した。リアクトルとは、駆動モーターのトルク向上のためにバッテリー電圧を上げる部品。新型プリウスのリアクトルでは、同社製品を用いた圧粉磁心を鉄心として採用することで、電気的性能の向上と部品コストの低減の両立を実現している。車載用部品に圧粉磁心が本格採用されるのは初。同社では、今回の採用を契機に拡販を図り金属磁性粉末の売上高を現在比10倍の100億円まで拡大する考え。

 旭化成ケミカルズは、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂「ザイロン」の用途開拓を加速する。現在、家電・OA機器分野の販売比率が5割以上を占めるが、既存用途での販売競争が激化していることから、需要の伸びが見込める自動車や太陽電池用途の開拓に力を注ぐ。ナイロンやポリプロピレン(PP)に加え、ポリフェニレンサルファイド(PPS)をはじめとする各種スーパーエンプラとのアロイ化を推進、耐熱性や機械的特性を高めた特殊グレードの開発を強化することで、新規用途拡大につなげる。

 近年、自動車の走行安定性向上を目的に各種車両運動制御システムの普及が進んでいる。これらシステムは、ハブユニットに取り付けられた磁気エンコーダで車輪速を検知することで実現されており、採用の広がりとともに磁気エンコーダの特性向上が求められている。日本精工では、素材をゴムから樹脂に転換することで高磁力化と優れた耐久性を実現した磁気エンコーダを開発。同製品は「高分解能センシングや軸受けのダウンサイジング化などが可能」(自動車軸受技術センター 宮崎裕也シャシ軸受技術部長)であり、システムの普及促進をサポートする。

 JFEスチールは、ハイブリッドや電気自動車(EV)を含む次世代車両向けソリューション展開を積極化する。保有する要素技術をベースにした高強度・高剛性・軽量車体構造の提案を通じて、自動車メーカー各社の低燃費化の取り組みに貢献しようというもの。ドアやパネルといったモジュール単位への提案を強化するほか、骨格構造では980メガパスカル?1470メガパスカル高張力鋼板(ハイテン)を材料に曲げ加工を主体とする軽量化手法を提案していく。同社では、一連の取り組みで自動車分野の事業拡大を推進する。

 日本精工は、自動車用樹脂プーリーの普及拡大を推進する。機械的特性の向上により従来に比べてより高荷重の用途における採用増を目指すもの。すでに製品化している高強度プーリーでは、66ナイロンベースの新材料開発とプーリー形状の最適化により大幅なクリープ特性の向上を実現。ベルトレイアウトのサーペンタイン化が進むなか、補機ベルトをガイドするアイドラープーリーとして採用されている。同社では、積極的な製品開発を通じて業界におけるプレゼンス向上に努める。

 資源やエネルギーを投入し、さまざま工程を経て商品を生み出す生産活動。そこでの省エネ・省資源化は、事業の競争力向上にも直結する重要課題だ。こうした分野においても材料技術を応用した取り組みが行われている。

 モノ作りにおいて欠かせないのが材料技術。製品の高機能化・高付加価値化は当然のこと、事業のグローバル化や生産プロセスの効率化の観点でも重要な役割を担う。自動車産業においても同様であり、事業を支える材料技術について第59回自動車技術会賞の中から本田技研工業の取り組みを紹介する。

 日本軽金属は、厚さ20ミリメートル以上のアルミ板材への適用を可能とする摩擦かく拌接合(FSW)技術を確立した。厚板専用の大型設備1台を新規導入することで、5052材および6061材で最大接合深さ77ミリメートルを実現したもの。両面接合により厚さ150ミリメートルまでの厚板の接合が可能であり、液晶や半導体製造装置向けなどの大型厚板製品に適用できる。すでに開発レベルで100ミリメートルの接合深さを達成しており、同技術のさらなる高度化を推進する。同社では、FSW製品のグループ売上高を3年後を目標に現在の2倍の20億円へ拡大する計画。

 今年に入りハイブリッドカーが急速に普及拡大するなか、ガソリン車やディーゼル車においても燃費向上を目的とした軽量化ニーズが一段と高まっている。こうした市場ニーズに対応し、BASFでは金属代替を狙いに耐熱安定性や流動性に優れたポリアミド(PA)の用途拡大を推進中。高度なCAE(コンピューター支援によるエンジニアリング)を含むソリューションの提供を通じて、軽量化やダウンサイジングを実現する自動車部品の樹脂化を後押しする。

 神戸製鋼所、大成プラスおよび武者デザインプロジェクトの3社は、発泡樹脂・金属シート複合板の用途開拓に乗り出す。新たに技術開発および商品化を目的にコンソーシアムを結成し、多分野・多用途での実用化を推進するもの。計画では、第1段階として自動車や住宅、電気など20業種を対象にコンソーシアムを立ち上げ、技術情報の公開やノウハウの共有などに取り組む。3社では、一連の取り組みを軸に同複合板の普及拡大を推進する。

 ニッパツは自動車用ばねのさらなる軽量化を推進する。近年高まる車体軽量化ニーズを背景に、10年春を目標に中空コイルばねの量産技術の確立に取り組んでいるもの。車体を支持する懸架ばねに適用すれば自動車1台当たり2?4キログラムの軽量化が可能となる。「ばねの中空化そのものは昔からあるアイデア。トップメーカーとして他社に先駆けて実用化する」(ばね生産本部 浜野俊雄副本部長)考えだ。同社では、ばね製品の高機能化を積極的に推進することで他社との差別化を図る。

 東洋鋼鈑のニッケルメッキ鋼板「ニッケルトップ」がハイブリッド車向けに生産を拡大させている。バッテリーに使用されるニッケル水素電池用の負極材用途として需要が増加しているもの。この6月には下松工場(山口県)で能力増強を実施し、従来比2倍の月産10万台に対応できる体制を構築した。同社では現在のハイブリッド車の普及を背景に2013?2014年ころまで現行のニッケル水素電池の需要は拡大するとみており、高品質性を軸に多用途展開も含めたさらなる事業拡大を推進する。

 ろう付けの総合メーカー、東京ブレイズ(本社・東京都世田谷区)は、ニッケルろうの低コスト化に成功した。近年の資源価格の高騰に対応するため、新たにニッケル含有量を抑えることで従来に比べて50?30%のコスト低減を実現したもの。新ろう材は鉄系母材に対する濡れがよく、従来材に比べて靭性が高いといった特徴を有する。同社では、ろう付けの低コスト化手段の一つとしてユーザーに提案していく。

 射出成形による樹脂・金属の一体成形技術の開発・実用化が積極化している。6月24日から東京ビッグサイトで開催された機械要素技術展では、先行する大成プラスに加えて日本軽金属とコロナ工業が独自技術を展示し来場者にPRしていた。同一体成形技術は単に樹脂と金属を接合するだけでなく、従来の製造法に対して大幅な工程簡略化が可能。新工法により工程やコストの大幅な削減を実現した製品も登場しており、今後の普及が注目される。

 大成プラス(東京都中央区、成富正?社長)は、アルミニウム合金と炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を強固に接合する技術を東レと共同開発した。同社独自の表面処理技術によってアルミに微細な凹凸を形成、エポキシ系接着剤を介してCFRPと接合する。従来、両者の接合は反りが生じる問題があったが、表面処理技術と接着剤の改良によって、長尺な積層材料を試作することに成功した。同社は自動車、航空機部品に適用できるとみて実用化に向けた取り組みを進める。

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