2009年6月アーカイブ

 新日本製鉄は、小径熱間圧延電縫(SR)鋼管の肉厚化に成功した。既設圧延機に傾斜配置させたツイスト圧延技術を導入することで、極厚肉サイズでの鋼管内面形状の改善と厚み精度(偏肉率)の大幅な向上により量産化を実現したもの。新技術により板厚外径比を従来の26%から33%へ向上し、引っ張り強度(断面積)の15%アップを達成した。自動車部品に適用した場合、従来のSR鋼管に対して10%程度の軽量化が可能となる。同社では、自動車足回り部品などの軽量化素材として拡販を図る。

 ニッパツは、自動車シート製品の高付加価値化を推進する。材料開発から一貫した事業体制を活用して、品質や機能面で他社との差別化を図るもの。その取り組みの一環としてこのほど新たに振動吸収性に優れる低反発タイプのウレタンフォームを開発し、振動抑制とシートパッドの薄肉化を高いレベルで両立することに成功した。同ウレタンフォームは、乗員への振動を抑えつつ身体支持性を高められるためスポーツタイプの乗用車向けシートなどに適しており、すでに国内自動車メーカーで採用されている。同社では、これら差別化技術を軸に完成品でのシェア拡大を図っていく。

 三菱エンジニアリングプラスチックスは、高摺動性ポリアセタール(POM)樹脂の拡販を推進する。高特性を実現したユピタールWF?11JおよびWA?11Jを軸に、自動車や電気・電子分野での採用拡大を目指していく。同グレードは広い摺動性要求領域をカバーしており、標準POMをはじめ非強化および繊維強化した各種樹脂やメッキを含む金属に対して優れた耐摩擦摩耗性と消音性を発揮する。同社では、電子・電気機器の静音化や自動車部品の高寿命化を可能とする素材として採用を働きかけていく。

 エンズィンガージャパン(東京都港区、井上洋之助社長)は、新たにビクトレックスSTを用いた切削加工用素材の販売を開始する。発売する「TECAPEEK ST」は、PEEK樹脂に対してガラス転移点を約20度C、熱変形温度を30度C向上させた高耐熱樹脂素材。150度C環境における曲げ強度が80メガパスカルとPEEK樹脂の2倍以上の強度を実現している。同社では自動車をはじめ石油・ガス、電子機器、半導体といった産業分野で耐熱用途を主に用途開拓を進めていく。

 住友金属工業は22日、車体開発の期間短縮を可能とする新シミュレーション技術を開発したと発表した。マツダおよび大手鉄鋼メーカー・コーラス社と共同開発したもの。新技術は、加工にともなう材料特性や板厚、形状変化を考慮することで解析精度を大幅に向上しており、従来技術に比べて車体設計工程の大幅な短縮化が可能。マツダと実施した効果検証試験により有効性を確認している。同社では、自動車の安全技術向上と製造コスト削減を可能とする新技術として普及させていく考え。

 ダウ・オートモーティブは、主力製品の1つである構造用接着剤「ベタメート」のアジア地域での展開を強化する。日本の自動車メーカーや、世界最大市場に成長しつつある中国の自動車メーカーなどをターゲットに、採用拡大に注力する。中国では、操縦安定性など車の性能向上に効果的な構造用接着剤を積極的に採用が広がっているため、ローカルメーカーも重要顧客に選定してプロモーションを積極化させる。また、日本、韓国では、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)の投入が相次ぎ、軽量化ニーズが一段と高まっていることから、本格的な普及に向け提案活動を積極化させていく。

 産業技術総合研究所は、アルミニウムの新しい表面改質技術を開発した。新技術はアルミニウムを熱水処理した後にフッ素系イソシアネート系化合物の蒸気に晒すことで、膜厚1ナノメートル程度の単分子膜を形成するもの。得られた表面は、金属光沢を維持しつつ極めて高い撥水性を有するのが特徴。新技術によりアルミ表面の汚れ防止や耐腐食性の向上、さらには配管内の流動抵抗減少が期待できる。

 近年の環境意識の高まりを背景に、車作りにおいても低燃費、省資源、リサイクルといった取り組みが従来以上に求められている。また、今回の世界同時不況をきっかけに自動車販売の中心は先進国からは新興市場にシフトすることが確実で、よりリーズナブルな車の開発が不可欠。

 今年4月、中国・上海で開催されたモーターショーに1台の自動車が出品された。スズキが世界戦略車として開発した新型アルトだ。排気量998ccの新型車の特徴は、ハイブリッドシステムはもとより排気可変バルブといった特別な機構を用いずにCO2排出量を1キロメートル当たり103グラム(MT車)とAセグメント車トップレベルの環境性能を実現したこと。低価格と高い環境性能からすでに発売しているインドと欧州での売り上げは好調で、生産拠点のマネサール工場(インド)ではフル操業となっている。上海モーターショーの出品は満を持しての世界最大の自動車市場・中国への投入だ。

 新日本石油100%出資の新日石プラスト(宍戸淑郎社長)は、ブラジルの石油化学会社ブラスケムが11年にも生産開始するバイオエタノール由来のポリエチレンを、自社の高機能不織布製品の原材料に採用する。近く、ブラスケムおよび、同社のバイオポリエチレンを日本で販売する豊田通商との3社で、供給契約関連の覚書(MOU)を締結する。新日石プラストは、原料にサスティナブル・プロダクトを採用する取り組みを全社の重点戦略の1つに掲げており、バイオポリエチレンのほかポリ乳酸(PLA)や再生ポリプロピレン(PP)などの使用についても準備を進めていく方針だ。

 大成プラスは、独自開発した樹脂と金属の一体化成形技術・NMT(ナノ・モールディング・テクノロジー)のライセンス展開を推進する。同技術の普及促進を図るため、国内外の加工および部品メーカーを主に取り組むもの。技術導入に際して過大な設備投資や高度な生産管理技術を必要としないことから、幅広く呼びかけることで供与先を現在の5社から大幅に拡大する。同社では、新たに適用素材として芳香族ナイロンと亜鉛メッキ鋼板を追加するなど技術の汎用性を高めており、普及促進を通じて幅広い分野での採用拡大を目指す。

 住友電気工業は、新たに圧粉コアによる自動車用リアクトルを開発した。粉末冶金技術を応用した圧粉コアは任意の立体形状が得られるなどの利点があり、主流のケイ素鋼板を用いたコアに対して部品の小型化を容易としているのが特徴。新たに開発したリアクトルは、入力電流200アンペア、周波数100キロヘルツ、インダクタンス500マイクロヘルツの範囲での適用を可能としている。同社では、磁性部品を粉末冶金事業における注力分野と位置付けており、自動車をはじめとした各種用途で製品開発を進めていく。

 機能部品メーカーのジェイテクトは、ターボチャージャー用にセラミック玉軸受けを再提案する。自動車エンジンの高効率化ニーズの高まりを背景としたターボチャージャーの普及拡大に対応して、摩擦損失低減による燃費向上などを軸に採用を働きかけていくもの。同製品は、一般的な鋼玉製軸受けに比べて高価だが、ターボチャージャーの性能向上はもとより給油量の削減や長寿命化が可能。その特性からホンダ自動車のターボエンジンに採用された実績を有する。同社では、特性面のメリットを積極的にPRすることで新モデルでの採用を目指す。

 東海カーボンは、カーボンナノチューブ(CNT)事業の育成を推進する。ファインセラミックスセンター(JFCC)内に研究者を駐在、同センターと共同で開発したCNT凝集体の用途開発を加速する。同材は、炭化ケイ素(SiC)粉末を出発原料とした高純度、高密度、高配向のCNT凝集体で、樹脂などの表面に塗布することで、耐擦り傷性、耐静電性を付与することができる。自動車用ガラスの代替用途などへの利用が期待されており、同社では、量産化技術確立に向け、試作改良を推進、新たな事業の柱として育成する方針だ。

 英ビクトレックスは樹脂による金属代替を推進する。この5月にPEEK樹脂を上回る特性を実現した新開発のVICTREX ST樹脂を上市し、全世界で本格的な用途開拓に乗り出した。「(金属を代替する際に)課題となる疲労強度に優れている」(マーク・マダンST樹脂開発担当)ことから、エネルギーや自動車をはじめ航空宇宙、エレクトロニクスといった分野での採用を見込む。すでに5月に開催された米国とドイツの展示会に出品しており、日本でも6月24?26日に東京ビッグサイトで開催される機械要素技術展で展示する予定だ。

このアーカイブについて

このページには、2009年6月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2009年5月です。

次のアーカイブは2009年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。