2009年4月アーカイブ

 住化プラステック(本社・東京都中央区、鈴木信敏社長)は、従来品に比べ、大幅な軽量化を実現したポリプロピレン(PP)系押出発泡シート「スミセラー」の拡販に力を注ぐ。このほど、大手自動車メーカーに内装部品として採用されたのを機に、自動車分野での用途開拓を本格化する。同製品は、従来の発泡シートを上回る強度を持ち、無発泡(ソリッド)品に対し最大60%の軽量化が図れるのが特徴。自動車部品の軽量化ニーズが高まるなか、内装分野を中心に広範囲な用途を開拓、需要掘り起こしを狙う。

 今月1日に東邦チタニウム、中嶋産業および森村商事の3社により設立された東邦マテリアル。ディスクブレーキパッド向けチタン酸カリウムで自動車用ブレーキ市場に本格参入したもので、独自製法によるコスト競争力を強みとする。今後の展開などについて矢野恭治社長(東邦チタニウム専務執行役員)に話を聞いた。

 東レ・デュポン(東京都中央区、森野仁社長)は、新タイプの熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)で攻勢をかける。高い柔軟性と150度C以上の耐熱性をあわせ持つ高耐熱グレードの拡販を強化する。すでに、2輪車用途での採用が始まっており、今後は、自動車分野での本格展開に乗り出す。また、現在、米デュポンが研究開発を進めている植物由来の熱可塑性エラストマーについては、来年度にも日本市場において用途開拓を開始したいとしており、新製品の積極投入により事業領域の拡大につなげる。

 住友金属工業は、自動車分野のグループ連携を強化する。12年をめどに欧州で導入が検討されている新燃費基準などを視野に、国内自動車メーカーに対して保有する素材・技術の提案強化を推進するもの。今月からグループの研究開発および提案活動をプロモートする新組織を設置し、車両骨格用途を中心に取り組みに着手した。同社では、取り組み範囲を拡大させつつ年内をめどに具体的成果に繋げていく方針。

 インサイトが搭載している1・3Lのガソリンエンジンは、インテークマニホールド(インマニ)にオール樹脂タイプを採用し軽量化を果たした。当初、フィットが採用していたアルミ/樹脂複合タイプの採用を検討したが、ボディ形状の違いから衝突安全基準や最適な吸気性能などを引き出すため新たに設計したもの。一方、オプション品ながら、フロアカーペットマットには植物由来の原料を使用したポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維を採用するなど、環境に優しい素材の採用も推進した。このほか、低VOC化を図った各種接着剤や、アレルゲン物質も除去する高性能脱フィルターの採用なども図った。

 インサイトのハイブリッドシステムは、フロント部分にエンジンとバッテリーを、リア部分にモーターを制御する『PCU(パワーコントロールユニット)』と『ニッケル水素バッテリー』で構成されるIPU(インテリジェントパワーユニット)を配置し、小型軽量化やコストダウンを実現している。このうち、IPUカバーの50%軽量化(当初の設計開発との比較)や、モーター組立工程の大幅な時間短縮に貢献したのは新規に採用された化学系素材だった。

 構造部材にからんだ騒音・振動(NV)対策でも、インサイトは新開発の素材を採用した。ピラーセパレーター(ピラーフィラー)と呼ぶオレフィン系発泡樹脂で、サイドシル部やピラー空洞部分の根元にこの発泡樹脂を充填し、ピラー上部への空気伝播音を遮断するほか、ピラー内の共鳴音(ロードノイズ中周波音)などを抑制する。インサイトでは、新たに高発泡・低温発泡タイプの超軽量ピラーセパレーターを採用し、従来品の3分の1という大幅な軽量化を達成した。さらに、発泡温度が下がったことで品質が安定化し、塗装工程の温度の低下にも対応できるようになった。

 信越化学工業は、自動車のワイヤーハーネスのコネクター向けにLIMS(液状シリコーン射出成形システム)用の液状シリコーンゴム材料の提案を強化する。材料に含まれる低分子シロキサンが大幅に除去されているため、乾燥機による2次キュアが不要。金型汚染も改善されるので金型のクリーニング回数も減らせる。すでに従来品からの置き換えが進んでいるが、生産性向上やトータルコスト削減を実現する材料として採用拡大を目指す。環境負荷低減にもつながるため、今後計画される新工場にも積極展開したい考えだ。

 ホンダは、06年から4輪車の室内の防音コンセプトを『遮音タイプ』から『吸音タイプ』に一新した。新コンセプトにより、新機種の防音材の重量は初代フィットに対し約4キログラムの軽量化に成功する一方で、静粛性は1ランク上のレベルを達成したという。新型インサイトではさらに、HVとして吸音材の最適配置を行った。その一例として、内装裏の吸音材として採用した住友スリーエム社の『シンサレート』については、さらなる軽量化や厚手化を図った。

 ホンダは新型インサイトで、コンパクトクラスとして初めて遮音機能と赤外線(IR)カット機能を併せ持つフロントガラスを採用した。コスト面の制約から、これまでは一部の高級車種などでしか使われていなかった。インサイト開発チームは、この高機能合わせガラスがさまざまな音に対して遮音効果を発揮することに加え、IRカットにより夏場の実用燃費に貢献するなど、新型HVであるインサイトの価値・品質を高める点を評価して採用を決断した。1つの素材・部材が多数の機能を発揮することで、結果的にはコスト面でも優位と認められる典型的なケースといえそうだ。

 日本高周波鋼業は、高張力鋼板(ハイテン)成形用金型に最適な冷間ダイス鋼を開発した。新ダイス鋼「NOGA(ノーガ)」は、被削性や熱処理変寸の最小化および等方化、溶接性を向上するとともに、表面皮膜と金型母材の密着性を高め耐かじり性を大幅に改善したのが特徴。従来素材に比べて、金型製作のリードタイム短縮やメンテナンス時間の軽減が見込める。同社では、自動車用途をターゲットに今年4月から本格発売する。

 "09年はハイブリッド自動車(HV)の本格的な普及元年"とされる自動車業界。その先陣を切り、ホンダが2月9日に市場投入したHVの新型『INSIGHT』(インサイト)は、関係者が固唾を呑んで見守るなかで好調な販売を記録している。インサイトの開発にあたり、車体材料、パワープラント材料および騒音・振動(NV)対策を統括した四輪開発センターの大萱真吾主任研究員は、「徹底した軽量化やコストダウンに加え、ハイブリッド専用車としてワンクラス上の快適性を追求した。このため、今まで使ってきた技術をもう一度考え直し煮詰めた」と語る。

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